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複雑な機能のUI改修で、ジレンマから抜け出すための3つのコツ

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こんにちは、デザイナーの田村です。

早いもので、クラウドワークスに転職してきて1年が経過しました。

前職では、主にBtoB向けの小規模なWebサービスの開発に携わっていました。

そのため、クラウドワークスに転職してからは、大規模なWebサービスのUI改修を行う難しさをよく感じています。

というのも、大規模なWebサービスでは、UI改修を考える上で「とあるジレンマ」に陥りやすいと思っています。

例えば「この部分を変えようとすると、今度は違う部分がかえって使いにくくなる」というものです。

大規模なWebサービスでは、考慮すべき点や影響範囲も多岐に渡ります。そのため、気がつくと上記のようなジレンマに陥ってしまうのです。

しかし、1年経った今となっては、こうしたジレンマから抜け出すコツも分かってきたような気がします。

そこで今回は、「複雑な機能のUI改修で、ジレンマから抜け出すための3つのコツ」というタイトルでお送りします。

1. 一度に解決しようとしない

そもそも、初めからフルリニューアルできれば良いのかもしれませんが、難しい場合が多いでしょう。

そんなときは、やはり既存の複雑なUIと向き合わなければなりません。

しかし、問題を一度に解決しようとすると、ジレンマに陥りやすくなります。絡まった糸をほどくように、少しずつ改修していくのがオススメです。

決して無理に引っ張ってほどこうとしてはいけません。

とはいえ、あまりにも複雑なUIの場合、もはやどこから取り掛かればよいか分からなくなることもあるでしょう。

その場合、まずは少しずつ無駄な要素や導線設計を整理していくことで、根本的な改善への糸口が見えてくることがあります。

わたしも最近、不要になったバナーを消したり、ちょっとした導線設計を見直すことで、次にやるべきことが見えてきたという経験をしました。

UI改修の取っ掛かりが掴めないときは、一見すると本来の目的から外れているようでも、まずは小さな改善から始めるのも一つの手です。

2. 魔法の定理を使う

ジレンマに陥っているときは、たいていの場合、視野も狭まっています。

現状の仕様や、その他の制約にとらわれ過ぎて、袋小路に迷い込んでしまうのです。

そんなときは「魔法の定理(magic principle)」が役に立ちます。

これは、アラン・クーパー氏によって紹介されている、ユーザーに内在するメンタルモデルを発見するための技法の一つです。*1

例えば、魔法の定理では、次のように考えます。

特定の作業を完了させようとしているときに、「もし魔法を使えたら、どうなるだろう」と問いかけてみるのです。

すると、現状の仕様や制約を考えすぎて混乱した頭を、一度リセットすることができます。

そして「本来、理想的にはどうすべきなんだっけ?」と再び考えられるようになるのです。

わたしも、行き詰まったときは、この技法をよく試しています。

「魔法の定理」に関しては、UXデザイングループの読書会でも取り上げた『デザイニング・ウェブインターフェース』でも紹介されています。

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3. 他職種の人に話を聞く

他職種の人に話を聞くのも、ジレンマから抜け出すために有効です。

ある意味で、前述した「魔法の定理」によって得られる効果と、近いものがあるかもしれません。

というのも、デザイナーが無意識的に「制約」だと思い込んでいたことが、意外とそうでもないというケースがあるからです。

既存の機能に対してUI改修を行う場合、現状の仕様などを考慮しつつ、デザインの方向性を探っていくと思います。

そのとき「今回のスコープの範囲内では、さすがに無理だろう」と肌感覚で思ったことがあるかもしれません。

しかし、エンジニアに相談すると、意外と難しい話ではなかったと分かることもあります。

そのため、UIデザイン案が思い浮かんだら、ある程度ラフな段階で共有してフィードバックを求めると良いでしょう。

作り切ってから見せるよりも、大抵の場合はメリットが多いものです。

ちなみに上に貼った写真は、とある機能のUI改修に取り組むため開催された、ミーティングの風景を写しています。

このときは、PO・エンジニア・デザイナー全員で、既存の画面を見ながらUIパターンの整理を行いました。

おかげで、UI改修の取っ掛かりをだいぶ掴むことができました。この結果は、デザイナーだけで進めていては得られなかったでしょう。

おわりに

複雑な機能のUI改修を行っているとき、打ちひしがれる場面があるかもしれません。

冒頭で述べたように、ジレンマに陥って、苦しむこともあるでしょう。

しかし、クラウドワークスのような大規模なサービスを扱う場合、苦しんだ分だけやりがいも十分にあります。

わたしたちと、「一緒に悩みながらサービスを成長させていきたい」という方がいらっしゃれば、ぜひ一度遊びに来てください。

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*1:アラン・クーパー:インタラクションデザインの要件定義において、ペルソナの概念を提唱