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検索結果一覧のUI改善でKPIが17.5%向上した話(UXデザイナー編)

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こんにちは。UXデザイナーの八尾です。

寒いですね。今年はウルトラライトダウンを買ったので安心です。

 

以前このブログで

検索結果一覧のUI改善でKPIが17.5%向上した話 - CrowdWorks Designer Blog

という記事が公開されました。

そして、その記事の中で、ユーザーニーズの調査について、

UXデザイナーが別の記事で紹介してくれると期待して割愛します

 というパスがあったので今回はUXデザイナーがUI改善に置いてどのようにユーザーニーズを発見したかということについて書いてみようと思います。

 

どういうUI改善の話か?

内容としては、クラウドワークスアプリの仕事の検索結果画面で仕事ごとの違いを見分けやすくしたというものであり、実際のUIは以下のように変化しました。

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そして、その結果、受注者の仕事の応募率を17.5%(*1)の向上に成功しました。

クラウドワークスは仕事のマッチングサービスを運営しており、受注者の仕事への応募は重要なファンネルになるので、それなりにインパクトのある結果となったのではないかと思います。

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(*1) 17.5%の向上とは、改善前の数字の1.175倍の向上を達成したという意味です。

一方、PCとスマホWebの応募率はリリース前後でほとんど変化せず、アプリだけがリリースの前後で明確に伸びており、UI改善によって「仕事の見つけやすさ」「応募のしやすさ」が向上したことが伺えます。

 

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全体としては上記のようなプロセスで改善を行ったのですが、その中でも私がメインで担当したニーズ調査・分析の部分について詳しく書きたいと思います。

 

 

どのようにニーズ調査・分析を行ったか?

調査目的の設定

リサーチを行う上で重要なことは目的です。

今回、UI改善をする画面はアプリの検索結果一覧ですが、ユーザーの体験としては、自分にあった仕事を見つける体験になります。

(現状のクラウドワークスで仕事を見つける際は、仕事一覧画面→仕事詳細画面→応募という流れで仕事への応募に繋がっていきます)

そのため、今回の調査を通じて、

 

  1. ユーザーの仕事選びの判断軸は何か?
  2. ユーザは現状のサービスでどのように仕事を選んでいるのか?

 

という二点を明確にすることを目的としました。

この時に意識したことは、ユーザーの行動を点ではなく線で捉えることです。

UIを変えようとしている検索結果一覧画面は、ユーザーにとって自分にあった仕事を見つける体験の中の一場面でしかありません。体験全体の流れを線として理解することで、ユーザーの真のニーズが把握できます。

 

調査内容の設計

ニーズ調査の手法としては、デプスインタビューを採用しました。

プロトタイプを用いたユーザビリティテストも選択肢にはあったのですが、

  • スケジュールとの折り合い(プロトタイプを作ってからユーザーに話を聞くというプロセスを踏むのが難しかった)
  • ユーザーニーズを先に明確にしておけば複数ある仮説を選ぶ際の判断軸となると思った

という二点からインタビューを選択しました。

 

前述の通り、テーマは、ユーザーが自分にあった仕事を見つける体験です。

インタビューでは、最終的に潜在的な意識を言語化できるよう構成や質問をかなり工夫する必要がありました。人は大抵の場合、何かを選ぶ際には、潜在的に持っている判断軸を意識せずに用いているからです。

 

意識せずに用いている判断軸を言語化できるようにするためにインタビューで工夫した点は、 例えば、

  • 実際に仕事を探してもらい、様子を観察する
  • 行動についての質問をする際には、オープンにしすぎず、選択肢を提示する

というような点です。

選択肢を提示することは普段のインタビューではあまりいい質問の仕方ではないですが、ユーザーの言語化を助けるという意味では機能するので、使い所を見極めればいい質問になります。

 

分析・レポートの作成

自分にあった仕事を見つける体験にフォーカスしてインタビューを行った結果、多くの示唆を得ることができました。

  1. ユーザーの仕事選びの判断軸は何か?
  2. ユーザは現状のサービスでどのように仕事を選んでいるのか?

ただ、上記2つを明確にすることは、前述の通り潜在的なものを言語化することです。そのためにユーザーがどういう人なのかについての深い理解が必要になります。

具体的には、作成したペルソナを元にして、

「なぜこの部分を重視するのか?」「なぜこの部分はここで判断するのか?」

ということを丁寧に紐解くことが求められます。

 

何かを選択するということは曖昧性の高い部分ですが、実際のUIの改善に繋げるために感覚ではなくできるだけ論理的に考えることを意識しました。

 

最終的な結論

上記のことを意識して最終的には以下の表のような形でユーザーは仕事を判断しているということを結論づけました。

 

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 また、自分にあった仕事を見つけるという体験は、

  • カテゴリ / スキル検索で、自分にとって応募する可能性がないものを削る
  • 検索結果一覧画面から、総合的に判断して自分がやらない仕事を排除
  • 仕事詳細画面で、吟味する必要のある項目の精査

という流れがいいということをユーザーニーズとしました。

しかし実際は、仕事一覧画面上で見ただけでは良い仕事かどうかの判断が難しく、無駄に多くの仕事の詳細画面を開いて確認・自分に合わなければ戻って別の仕事を探すといった作業を繰り返してしまっている現状が多く見受けられました。

 この結論や、インタビューから導き出されたユーザビリティ上の課題を元にして、下画像のようなアウトプットになりました。

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そしてめでたく応募率のKPIが17.5%改善されました。

 

最後に

いかがでしたか?

サービス改善に当たってのユーザーニーズの調査・分析の事例として書いてみました。

振り返ってみて適切にユーザーニーズを把握するためのポイントは

  • ユーザーの体験を点ではなく線で捉える
  • ユーザーのもつ曖昧さを言語化する
  • 感覚ではなく論理的に整理する

ことだったように思います。

ユーザーニーズを調査する際には上記のポイントを考えてみるといいかもしれません。

 

ユーザーに向き合いながらサービス作りをしていきたいデザイナーさん、ぜひ色々お話ししてみませんか??

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