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クラウドワークスにコーポレートブランド戦略部が設立されました!

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こんにちは。ブランド戦略プランナーやってます、Peterです。 2019年10月、クラウドワークスに、コーポレートブランド戦略部が組織化されました!

この組織では社内文化を醸成する取り組みを本格化する」「クラウドワークスという会社と、各事業の関係を整理して世の中に受け取ってもらいやすくする」という2つの目的を持っています。

 

この記事では

● そもそもブランドとは?

● コーポレートブランディングって、どんなことするの?

● クラウドワークスのコーポレートブランド戦略部は何をしているのか?

を、書いていきたと思います。 

そもそもブランド・ブランディングとは?

ブランドとは...

コーポレートブランディングを説明する前に「ブランドとは?」について書こうと思います。いろいろと解釈がわかれると思うので、アメリカ・マーケティング協会(American Marketing Association)が公開しているブランドの定義を紹介します。

ブランドとは「ある売り手の商品やサービスが他の売り手のそれと異なるものとするための名前・用語・デザイン・シンボルあるいは他の特徴のことである」(田中洋訳/田中 洋 ブランド概略論より)

ちょっと何を言っているか、わかりづらい!要は何かを識別させるもの?

それでは、ブランディングとは...

「ブランディング」についても、いろいろな解釈がインターネットや本で公開されています。その中で、ブランドエージェンシーのインターブランドジャパンの一つご紹介すると、

「ブランディング」は、あらゆるビジネス活動をマネジメントし、ビジネスアセットであるブランド価値を最大化することを目指す活動である。

(インターブランドジャパン ブランディング 7つの原則【改訂版】より)

みなさん、わかりましたか...? 一つの解釈として「ブランディング」とは「ブランド価値を最大化すること」を目指すことと言えます。

そのブランド価値ってなによ?

ブランド価値ってわかりづらいですね。。ブランド論の第一人者、アーカー先生のまとめを引用すると...

Aaker (1991) は, ブランド・エクイティを「ブランドの名前やシンボルと結びついた資産 (および負債) の集合」(邦訳, 9頁) と定義して, 次の5つの「カテゴリー」を示している。

①ブランド・ロイヤルティ (より頻繁に購入したり使用する高いロイヤルティの顧客グループがあるかどうか),

②ブランド認知 (どの程度, 再認, 再生, ト ップ・オブ・マインド, 支配的ブランド〔カテゴリーで1つしかブランドが想起されない状態〕のスコアがあるか),

③知覚品質 (どの程度, 顧客に知覚された品質が高いか。高いほどROI〔投資収益率〕などの財務指標にポジティブな影響を与える),

④ブランド連想 (そのブランドからどの程度ポジティブな連想があるかどうか), ⑤その他のブランド資産 (チャネル関係, 特許など)。

このうち①から④のカテゴリーがさまざまな価値を生み出すとされる。

(田中 洋 ブランド概略論より)

長い!!!!.... 自分の解釈では、大きくは3つに分かれると考えています。

● ブランドプレミアム:同業他社よりも高い価格で販売できる。

● ブランドロイヤリティ:リピーターやロイヤリティの高い人が反復購入し、一定の安定した販売量を確保できる。

● ブランドエクスパンション:本来の業種・市場にとどまらず、類似業種・異業種に進出する拡張力をもつ。

ブランドの一般論はここまでに。次は「コーポレートブランディング」について書きたいと思います。

コーポレートブランディングって、どんなことするの?

ひとことで言うと? 

コーポレートブランディングについても大きく解釈がわかれるかもしれません。ここで紹介する考えは、コーポレートブランディングとは「事業領域の『変革』を加速させる経営戦略」ととらえる考え方です。戦略を大きく3つに分解して説明すると、

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● 存在意義の明確化:経営者が目指すビジョンや、市場における新しい価値観を言語化し、企業の存在意義を明確にする。

● 意識改革と体質改善:経営層や社員、1人ひとりの仕事に対する意識をアップデートし、企業の体質を改善する。

● 企業イメージの構築・アップデート:固有の企業イメージを構築・アップデートする。

今回紹介できるのはほんの一部ですが...3つの項目を4つの事例でご紹介します。 

コーポレートブランディングの事例

まずは、企業イメージの「名前」と「シンボル(ロゴ)」が変わった事例を2つほど。

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ZOZO

CDやレコードの輸入販売サイトの運営から始まり、アパレルのオンラインショッピングサイト「ZOZOTOWN」を開設。2018年10月に社名変更にともない、コーポレートブランドをスタートトゥデイからZOZOに変更した。

コーポレートブランドを「スタートトゥデイ」から「ZOZO」にアップデートしてますね。今までスタートトゥデイ?? あ、ZOZOTOWNを運営している会社ね!って人も、ZOZOTOWNを運営するZOZOになって、より、ZOZO?ああ、ZOZOね!(?)とわかりやすくなったと思います。(強引、!笑)

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LITALICO

就労移行支援事業をメインに実店舗を展開。その後、物理的制約・時間的制約を越えることができるプラットフォーム事業を推進。2014年6月に社名変更にともない、コーポレートブランドをウィングルからLITALICOに変更した。

リタリコさんでは、

当社では今後、これまで以上により多様な社会課題に向き合っていきたいという決意から、社名を変更し改めてスタートを切ることにいたしました。( 2014年6月1日/「株式会社LITALICO」に社名を変更いたします。 | プレスルーム | 株式会社LITALICO より)

社会に目指すビジョンや、改めて自分たちの存在意義を改めて言語化・表明しています。また、仕切り直しというタイミングでブランドネームとロゴを変えて企業のイメージをアップデートしています。

「名前」と「シンボル(ロゴ)」を大きく変えない事例も紹介します。これらの会社は、ブランドを変えることなく、むしろ強く維持することで、事業変容を進めています。

日立製作所
鉱山機械の修理工場が家電メーカーとなり、成長とともにIoT、情報・通信システム、社会インフラの会社へと事業拡大した。

日本を代表する会社、日立製作所では自分たちのコアや強み、存在意義を常に中心にもち、社会の変化とともに事業を変容、拡大していきました。

日立は、1910年に当時36歳だった小平浪平創業社長と、彼の志に共感した数名の若いエンジニアたちによる、いわゆるベンチャー企業として始まりました。その創業以来、私たちの原点として受け継がれているのが「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」という企業理念です。社会の課題を解決し、社会の発展に貢献していくという姿勢こそが、脈々と受け継がれてきた私たちのミッションなのです。( トップメッセージ:はじめに:日立  より) 

「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」という企業理念を脈々と受け継ぎ、企業の強みを活かして、事業変容を進めています。

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富士フィルム
写真フィルムやカラー印画紙をあつかっていたが産業の衰退とともに、メディカル・ヘルスケア分野事業へと変容した。

フィルム市場は急激に衰退しましたが、富士フィルムは自社の強みを認識し、企業の体質や事業の変容を押し進めていきました。

急速なデジタル化の進展に伴い、カラーフィルムの需要は2000年をピークに急速に下がり続けました。早くからデジタル化に備えていたものの、2000年当時、カラーフィルムなどの写真感光材料関連事業の売上および利益は当社の6割を占めており、当社は主力事業が立ち行かなくなるという、非常に厳しい状況に直面しました。この状況を打破すべく、当社は、厳しい環境下でも確実に利益を生み出し、成長していく強靭な企業体質の構築や、新たな成長戦略の構築に積極的に取り組んでいきました。 ( 富士フイルムホールディングス | 富士フイルムグループの沿革 より)

富士フィルムは、社名こそ富士写真フイルム株式会社から富士フイルムホールディングスに変更しましたが、変容を進める中で経営戦略「VISION75」を発表し、改革を押し進めました。

創立 75 周年を迎える2009 年度までの中期計画「VISION75」を発表し、「富士フイルムを没落より救い出し、2~3 兆円の売上高を持つリーディングカンパニーとして、存続させる」をビジョンとして掲げた。

また「VISION75」では、「経営全般にわたる徹底的な構造改革」、「新たな成長戦略の構築」、「連結経営の強化」の3つを基本方針とし、これを実現するためには、社員のパワーアップと活性化が欠かせないと強調された。

このビジョンは、当時の富士フイルムが組織を変革することを必要だとし、組織変革を進めつつ、3 つの基本方針を実現し、ビジョンを達成することが富士フイルムの組織変革のゴールである。(近藤 裕貴 富士フイルムの組織変革 https://www.u-hyogo.ac.jp/mba/pdf/SBR/7-4/047.pdf より)

 

これらの事例は、ほんの一部かつ、様々な要素と絡み合っています。一つの考え方として企業のイメージを変えるだけでなく「存在意義を明確化」し、社員の「意識改革」や企業の「体質改善」を押し進めることもコーポレートブランディングと言えるのではないかと、考えています。

コーポレートブランディングってどんなこと何やるの?

コーポレートブランディングの作業項目を書き出すと8つのワークフローがあると考えます。完全に網羅しているわけではなく、あくまでも一例です。

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矢羽はワークフローを指します。緑色は最終的に社内向けのアウトプットに、灰色は最終的に社内外向けのアウトプットに、青色は最終的に社外向けのアウトプットになることを表しています。一つづつご紹介します。

● 情報取集/分析・戦略立案:社内の情報収集やその分析をおこないます。また様々なステークホルダーとどのような接点(タッチポイント)があるかを把握するために写真や現物を収集します。情報を網羅的に把握することで、全体像を俯瞰しながら、どの部分が整合性が取れないか、またどの部分が陳腐化(多くの人に古臭い印象に捉えられる状態化)しているかを探ります。

● 言語化・戦略提案:調査を元にあらゆる判断軸になる、理念やミッション・ビジョン・バリューなどを言語化(リファイン)します。また調査した接点から、どの接点がより効果的にブランドの影響を与えるかを考え、展開すべきポイントを定めます。

● ブランド構成要素の開発:ブランドネーミングやロゴ、カラー、書体(タイポグラフィ)、写真・動画素材、サウンドロゴなど、接点(タッチポイント)になる体験を構築する上で必要な、組み合わせの中身「構成要素」を開発します。これは昔むかし、VI(ビジュアル・アイデンティティ)とも呼ばれており(最近はビジュアルだけに留まらない)、言語化した思いを五感で訴えるための基礎となります。また書体に関しては、1から開発するとコストがかかるため、後述するブランドガイドラインの中で標準書体を規定する場合もあります。

ブランド構成要素の参考事例:Visual Identity | デンソー ブランドサイト

商標マネジメント:開発したネーミングやロゴ、最近では音などのブランドの固有な要素について、その権利を守るために商標権を取得します。取得せずに進めた場合、最悪の事態としては権利保持者から使用した期間分の賠償金を迫られるケースもあります。社内の法務担当(場合によっては弁理士)と取得するべき役務(サービスの区分)を相談し、特許庁に申請することで、適切に権利を守ります。また権利の取得後は、5年または10年の更新のタイミングで、更新するかしないかを検討し、継続的に管理をしていきます。商標は各国、地域の商標の考え方があり(日本では特許権を受ける権利を、先に出願した人に与える先願主義、アメリカでは最初に発明をした発明者に特許権を与える先発明主義を採用しています。)グローバルに使用を検討している場合は、国ごとに戦略を考えながら進める必要があります。

● デザインガイドライン開発:開発したブランドの構成要素(ロゴ・ネーミング・書体・写真など)をどのように使うかを規定(ルール化)し、ガイドラインとしてまとめます。ルールを作ることで、正しくない使い方を減らし、より統一的・また狙い通りにブランドを表現できるようにします。

社外との接点(タッチポイント)の開発:報道機関・投資家の方々や就職希望者、サービスのユーザーなどのステークホルダーに対して、その企業(ブランド)の元で働く人が接する部分を、ブランド構成要素を組み合わせながら、開発していきます。接点を開発する際は、どのような印象を与えるかなどの企業イメージの部分も検討し、かつガイドラインにそって開発を進めます。また開発後は、接点の陳腐化(多くの人に古臭い印象に捉えられる状態化)を防ぐために、いつ開発したか、また次にいつリファインをかけるかなどの、更新のタイミングもわかる範囲で把握・検討していきます。

プロモーション(広報 / PRとの連携):社内の情報が外に出されるタイミングで適切にブランドが発信できるように、広報やIRのメンバーと発信内容を整えていきます。コーポレートブランディングで注意する観点としては、ガイドラインにそったロゴの使い方やコピー(文章)における自社の見せ方・書き方など、俯瞰した視点で確認し・調整をかけていきます。

● 社内との接点(タッチポイント)の開発:経営層・従業員とその家族、その企業(ブランド)の元で働く人が接する部分を、ブランド構成要素を組み合わせながら、開発していきます。社外と大きく異なることは、後述するミッション・ビジョン・バリューの浸透施策が目的になるケースが多く見られる点です。

● ミッション・ビジョン・バリューの浸透施策:接点の開発や社内イベントを通して、ミッション・ビジョン・バリューに限らず理念やコンセプトなど、社内に深く浸透させていきます。浸透されることで初めて、言葉がただ形骸化せずに組織のあらゆる意思決定に反映されていきます。(この項目で一つ記事がかけそうなので、いつの機会かに...)

● 定点観測(社内・社外)社内に向けてはブランドが適切に運用されているか、ミッション・ビジョン・バリューの内容や意味が理解されているかなどを調査します、社外に向けては、ブランド特有の発信や提供体験を通して、狙い通りにブランド体験(言語化した内容やブランドのストーリー)を感じているか、またブランドが想起されているかなどを効果検証します。それらの結果をもとに、どのような課題があるのか、どのような施策を実行するかの参考材料にしていきます。

 

上記の作業項目は、あくまでも全体の一部かつ、一つの考え方であることをご注意ください。これらの作業を一つのフローに対して約1~3ヶ月を目安に進めていきます。接点の中でもサイン(看板など)やオフィス、プロモーションスペース(展示スペース)等の空間デザインなどは、基本設計(図面作成)から素材の選定、最終的な施工までかかるため、その分期間も長くなります。

クラウドワークスのコーポレートブランド戦略部は何をしているのか?

コーポレートブランド戦略部の構成

クラウドワークスのコーポレートブランド戦略部は、広報グループとブランド戦略グループの2グループに分かれて活動をしています。

● 広報グループ:社内や社外の情報収集・発信、あらゆる関係づくりなど(メディア対応など様々な面に対応)

● ブランド戦略グループ:発信の中身や戦略を考える

ブランド戦略グループはまだまだ出来たばかりの組織のため、広報グループの力を借りながら、日々アップデートをし、お互い協力し合って活動しています。

普段どんなことをしているのか

10月に部が設立した後、最初はチームの目的や目標を部の全員で決めました。その後、社内の情報収集を進め、フローはバラバラではありますが、会社の課題に添いながら進めています。

現在進めているもの (赤枠)↓

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まだ書けない内容も多いですが「社内との接点の開発」として、ロゴの入ったパーカーの制作や、今期から新しくなったバリューの浸透調査などを進行・企画しています!

そのほかにも、

● サービスプログラムネーミング開発:サービスの内容や想起される言葉との整合性を考えながら、ネーミングを考える。

● コーポレートブランディンの相談窓口(Slackのチャンネル)の設置:社内メディアで発信する内容への相談や、デザインが不適切な部分、上記のサービスブランドのネーミング相談など、なんでも聞ける窓口の設置を設置しています。

● ブランディンの雑学発信(Slackのチャンネル):広報のメンバーが企画して立ち上がりました。誰でも自由にブランディングに関することを投稿できる場があり、みんなで意見交換をしています。

これら以外に、今すぐに表に出るものは少ないですが、少しづつ領域を広げながら仕事をしています。

ここまで書いたことはあくまでも、統一感を感じさせ、魅力あるブランドを目指す最低ラインに到達するまでの項目ですより識別化・ブランドの固有性を高めるためにはその企業らしさをつき詰めた企画を考えていく必要があると考えています。

終わりに

今後、クラウドワークス流のコーポレートブランディングの事例をどんどんアップデートして公開できたらなぁと考えています。(目指せ!クラウドワークス流コーポレートブランディング!)

そんな、ブランディングを押し進めているクラウドワークスでは、デザイナーの募集をおこなっています。

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