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デザイナーのための「デザイン日記」のすヽめ

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こんにちは。マネージャーの田村です。

先日「マル秘展 めったに見られないデザイナー達の原画」に行ってきました。

スケッチや図面、模型など、有名デザイナーのデザインプロセスに触れることができ、とても勉強になりました。

そこで、わたし自身のデザインプロセスで特徴的なところはないだろうか?と思い返したところ、「デザイン日記」のことを思いつきました。

今回は、デザイナーのための「デザイン日記」について、わたしのデザインプロセスを振り返りつつご紹介します。

デザイン日記のすヽめ

デザイン日記とは、デザインの過程を日記のように綴った文書のことで、わたしが勝手にそう呼んでいるだけです。 

きっかけは、同じチームだったエンジニアが、新機能の設計方針をQiita Teamに残していたのを見て真似したことです。

何を書いているのかというと、本当に色々なことを書いています。日記なので、決まったフォーマットは何もありません。

デザインに着手する前に、施策の目的やターゲットを言語化することもあれば、行き詰まったときに「既存の仕様が複雑でつらい…」と吐き出すこともあります。

同僚のデザイナーを見ていると、企画段階で方向性を決めるMTGの議事録を取っている人は多いですが、デザインしながら同時に散文を書いている人はいないようでした。

そのため「ひょっとして、これはわたしの個性なのでは?」と思い、個人的に感じているメリットを書いてみたいと思います。

1. 思考の整理に役立つ

わたしの場合、ラフスケッチやデザイン案を発散した後で、なぜその案が良いのかを証明するような文章を書くことがあります。

スタイリングに関するメモ

スタイリングに関するメモ

そうすることで、右脳と左脳、あるいは主観と客観を切り替えるような感覚でブラッシュアップすることが可能になります。

手間が増えているように見えるかもしれませんが、一人で堂々めぐりをすることが減るため、実はかえって前に進みやすくなるのです。

普段デザインに取り組んでいて、あまり悩まない人には必要性が低いかもしれませんが、画面の前でよく堂々めぐりをする人にはおすすめです。

これはデザイン日記そのものというより、絵を描くという感覚的なアウトプットと、文章を書くという論理的なアウトプットを行き来することで得られる効果という方が正確だと思っています。

2. 他者への説明に役立つ

デザイン日記に、デザインの発散から収束の過程を残しておくと、他者への説明にも役立ちます。

最終的にボツになった案のラフスケッチ

最終的にボツになった案のラフスケッチ

例えば、デザイン案について伝える際、よくあるのは「なぜそうしたのか」という理由を説明することではないでしょうか。

その時、「なぜそうしたのか」と同じくらい、実は「なぜそうしなかったのか」という理由も重要です。

議論において、反論には「主張に対して別の主張をぶつける場合」と、「主張を支える根拠の正当性を問う場合」の大きく2種類があります。

デザインレビューの際、最終成果物しか記録として残っていなければ、「なぜそうしたのか」という根拠は答えられるかもしれません。

しかし、「なぜそうしなかったのか?」という質問には、あらかじめ考えていたとしても、記憶だけで答えるのは大変です。

よって、ボツにした案も含めて「なぜそうしなかったのか」という経緯まで残しておくと、後から役立つことが多いのです。

3. 形式知としての記録に役立つ

これは組織としてのメリットですが、デザインの文脈を、形式知として記録しておくことができます。

デザインレビューの発言もそのまま記録

デザインレビューの発言もそのまま記録

わたしが主に扱ってきたのはUIデザインですが、どのような分野にしても、デザインは抽象的な事柄を扱うことが多く、文脈が失われがちです。

そのため、デザインの過程で考えたことを雑に記録しておくだけでも、デザイナーの思考を後追いできるようになります。

特にUIデザインであれば、基本的には一度リリースして終わりではなく、継続的に改善される可能性が高いでしょう。

後から入社したデザイナーが、「なぜこういうデザインになったのか」を知れるようになっていると、議論の土台として活用しやすくなります。

デザイナーの思考を後追いできるという点では、ひょっとすると、新卒デザイナーの教育にも使えるかもしれません。

デザイン日記によって先輩デザイナーの思考を後追いさせ、「自分だったらこうする」という反論をさせてみるのも、良い訓練になるでしょう。

おわりに

こうして振り返ってみると、デザイナーは表面的に使っているツールは同じでも、誰もが目に見えない自分流のプロセスを持っているのかもしれないと思いました。

あなたも、普段当たり前に行っているデザインプロセスを振り返ってみると、何か発見があるかもしれません。

それでは、今年のデザイナーブログの更新はこれで最後です。

よいお年を!そして、来年もどうぞ、よろしくお願いします。