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とあるデザインマネージャーのマネジメント流儀

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こちらは「Service Designer's Advent Calendar 2018」の、13日目の記事です。
 
みなさんこんにちは。クラウドワークスのUXデザイン部 部長のアタラシです。自社のプロダクトデザイン組織をマネジメントする「デザインマネージャー」という役割を担っています。
 
今回は、ぼくの超個人的なデザインマネージャーとしてのマネジメント流儀を、いくつか羅列しながらご紹介したいと思います。
 
正解・不正解のない個人的なスタンスだということと、あくまで今現在のものであり、今後はぜんぜん変わるかもしれないという前提で、読んでいただければと思います。(いわゆる組織論のようなことは書かれていません)
 

【前提】クラウドワークスのデザイン組織構造

デザイン組織のマネージャーの活動内容は、事業内容、事業規模、フェーズ、組織構造などによって、各社異なってくると思います。同じ事業会社でも、WEBサービスを作っている会社とそうでない会社では違うだろうし、制作会社と事業会社でも違いがありそうです。
 
クラウドワークスにおけるデザインマネージャーの活動の第一義は、あくまでも組織マネジメント。プロダクトデザインではありません。プロダクトデザインに関しては、チーフデザイナーが司ってくれています。
 
組織構造はこんな感じです。デザイン組織は、2年前に設置されたとき、エンジニアリング組織のなかにあるイチ機能でしかなかったのですが、今では、ひとつの横断型組織として成立しています。 

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クラウドワークスのプロダクト開発体制(イメージ)

  • デザイン組織:ほぼデザイナーしかいない。デザイン方針やルールの策定、対外発信、社内啓蒙、知見共有やスキルアップ、採用などを司る。
  • チーム:デザイナー、エンジニア、プロダクトオーナーで構成される。リサーチからデリバリーまで、アジャイルにやる。職種の差はあるようで、ない。
  • マネージャーとは、横断組織の組織マネジメントをする人のこと 。
 
デザイナーは、「 帰属はデザイン組織、主戦場はプロダクト開発チーム」みたいな感じでやっています。
 
 
 
 
ではさっそく、デザインマネージャーのマネジメント流儀を、思いついた順番に書いていきます。
 

1. 主役はデザイナーでしょ。

  • デザインはデザイナーのものであり、マネージャーのものではない。
  • マネージャーは、デザイナーがパフォーマンスを出せるように、環境をコーディネートしたり、話をしたりするのみ。
  • いわゆる管理、みたいなことはしない。なんかあったときに助けられるように、最低限のことは守ってもらうけど。
  • 決めるのはあなただよ、というスタンス。ぼくは一緒に考えたり、選択肢を絞って提案したりする感じ。
  • デザイナーのキャリア相談に乗る。その際、ちゃんと転職や独立も選択肢にする。本気で相談に乗ると普通にそうなる。

 

2. デザイナーの「個」を立てる。

  • 外部での登壇とかは、全力支援。どんどんやってもらっている。
  • 各デザイナーが、それぞれ業界内で名前が売れている状態を目指したい。

  • 会社の看板でしか生きられないデザイナーにはなってほしくない。

  • 他の会社では通用するかわからないから転職したくない、という声をたまに聞くことがあるけど、そうはしたくない。

 

3. 組織として発信を重視する。

  • 組織が数人の頃から、無理矢理にでも、ブログや登壇で発信していたら、発信がカルチャーになった。
  • デザイナーの発信施策をリードする「外務大臣」という謎の役割が存在している。
  • 登壇もする。1年間で、半分以上のメンバーが登壇した。それも複数回。
  • 業界内での存在感が上がると、デザイナーが集まってきやすくなる。

  • デザイナーが転職していくとき、「クラウドワークスから来たんだ、それはいいね」みたいになるといい。

 

4. 採用面接で、めっちゃ会話する。

  • 内定出すまでに、合計で、短くても3時間くらい、長くて10時間くらい話している気がする。現場のメンバーや、役員との面接を除いた、ぼくとの会話だけで。
  • 長くて不評になることはない。なぜなら、相手もそれなりの覚悟で転職先を選んでいるから。ありがたがられることのほうが多い気がする。
  • 入社したあともスムーズ。
  • 問題は、時間を結構必要とすること。でも、それを惜しんで、結果的に変な人を採用しちゃうほうが嫌だし。
 

5. 言葉にこだわる。

  • 相手がこちらの言葉をどう理解するかを想像しながら、言葉を発する。
  • 持っている知識や情報量が違うことを意識して話す。
  • 相手に、話のコアをピックアップしてもらいやすくするために、例え話を使ったり、絵を描いてみたり、工夫しながら話す。
  • 誰かのあいまいな発言を聞いたら、あいまいさを解消するための質問をして、意味を少しでも正確に把握するよう努める。
  • あいまいな言葉をなんとなく放置しておくと、誤解を生む。誤解が生まれると、その解消のために100倍くらいの時間をかけないといけない。しかも誤解が広がったりすると、解消するためのコストは10000倍とかになっていく。
  • フルフレックス、フルリモートがOKな会社なので、質のよいコミュニケーションは超重要。
 

6. 教育しない。

  • 自分で成長できる人を採用し、実務や本や研修などを使って、自分で自分を育ててもらう。
  • 自分で成長できる人なら、環境を整えて、支援さえすれば伸びてくれる。
  • 社員リソースを使っての教育はしない、ということ。デザイナーの数もそこまで多くない中、教育はコストが高すぎる。
  • もっと人数が増えたら、むしろ教育体制を整えたい。
 

7. 信頼関係がすべて。

  • 言い換えると、何でも話せる関係。恥ずかしいことも。辛いことも。幸せなことも。
  • 仲良くても話せない関係より、仲良くなくても話せる関係のほうがずっと大事。
  • 口がうまくたって、信頼関係なんてつくれない。
  • 信頼とは、人の性格にではなく、行動に対して発生するもの。
  • 信頼とは、口ではなく、行動を積み重ねることで構築されるもの。
  • 信頼とは、相手を信頼することで返ってくるもの。*1
  • 経営陣とも、メンバーとも、他のマネージャーとも、信頼関係を重視してこれからもやっていく。
  

8. マネジメントとは、デザインだと思う。

  • 「マネージャーにはなりたくない、だって誰かとの折衝ばかりで、デザインができないから」という声を、いろんな人から聞く。それは違うよ、と言いたい。
  • マネージャーとは、「デザイン組織というプロダクト」のデザイナーだと思う。
  • あなたの「デザイン組織」は、メンバーにどんな価値を提供してますか?やりがい?成長?成功?一体感?ワークライフバランス?
  • デザイン組織というプロダクトを、どんな価値を提供するサービスとして進化させていくかは、マネージャーの自由。うぇーい。
  • このサービスは、ユーザーの顔が超見えるし、変化を見守れる喜びがある。
  • デザイン組織を、会社の強みになるまで成長させていく過程は、サービスを成長させていくのと同じだと思う。伸ばし方もいろいろ。もちろん、マネージャーの自由だ。(2年間のデザイン組織成長の歴史は公式デザイナーブログを過去から読んでいただけるとわかるかもしれません)
 

思いついたものは、今のところこんな感じでした。

組織戦略、組織ビルド、組織運営、デザイナーの評価、他部門との関係性、デザイン経営、とかとか、デザインマネージャーまわりのテーマはいろいろあり、他のデザインマネージャーの話を聞いてみたい。
 
デザインマネージャー飲み、やりたいな〜。CDOとか来ちゃダメなやつ。
 
さて、Service Designer's Advent Calendar 2018」で明日の記事を担当するのは、DeNAさんです。お楽しみに。